「紀伊国牟褸郡の悪しき女」

往生伝は、様々な形で他の物語に継承されています。

『法華験記』に「紀伊国牟褸郡の悪しき女」という話があります。内容は以下の通りです。

若い僧と年老いた僧の二人が紀伊国牟褸郡で宿をとりました。その宿の主である寡婦は、若い僧一目惚れし、夜這いをかけます。若い僧は、驚くとともに、なんとか女をなだめすかし、熊野に参拝した後、女の望みをかなえるという約束をします。

女は、僧の帰りを待っていましたが、騙されたとわかると毒蛇となって、僧を追いかけます。それを知った僧は、道成寺に逃げ込み、鐘の中には入り、他の僧達にかくまわれます。

しかし、毒蛇は、寺の門を突破し、僧の入った鐘に巻きつきます。鐘は毒蛇の毒で火の海になります。毒蛇は、その後、血の涙を流して去っていきます。焼きただれた鐘の中には、灰となった僧があるのみでした。

どこかで聞いたような話ですね。そう、「安鎮と清姫」です。その原型が、往生伝に見られます。

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