日本仏教の多様性

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英国の宗教学者イアン・リーダー氏は、四国巡礼をサポートする巡礼講の人々を調査しました。

御存じのように、四国巡礼は弘法大師信仰です。そのため、巡礼講の人々は、弘法大師を崇拝していました。ところが、彼らの所属している宗派を聞いてみると、その多くは、弘法大師の真言宗ではなく、浄土真宗だったそうです。氏は、驚きその理由を彼らに問いますが、彼ら自身は、なんの矛盾も感じていなかったそうです。氏は、再び驚きます。

巡礼講の人々は、現世での利益を弘法大師に、来世での利益を阿弥陀仏に求めています。これは、日本人にとって理解できることではないしょうか。何も仏教に限らず、宗教全体でもこうした多様性があります。新年には神社に行き、葬式はお寺、結婚式は教会といった選択を、私達日本人は自然に行います。こうした仏教や宗教への多様性は、日本の良いところだと思います。

参考文献
イアン・リーダー(2000)「あれは宗教、これが信仰:現世利益と日本の宗教」『往生考:日本人の生・老・死』p.p.321-330.

画像:お遍路
画像出所:高知新聞 https://www.kochinews.co.jp/article/291382/