観音経

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法華経第25品が観音経と呼ばれ、観音菩薩の救済が説かれています。人がどのような苦難に遭っても、心に観音菩薩を念ずれば、救われることが記されています。本当にありがたい菩薩様です。この観音経は、宗派を超えて信仰され、観音菩薩は、最も人気のある仏・菩薩の一人となりました。

京都の仁和寺では、2018年、観音堂が修復されました。その記念として、特別拝観が行われました。この観音堂の壁画には、観音菩薩が三十三の姿となって人々を救う、まさに観音経の世界が描かれています。私は、昨年拝観できず、本当に残念です。

画像:仁和寺観音堂
画像出所:産経ニュース 
https://www.sankei.com/west/news/181103/wst1811030017-n1.html

放生会

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放生会は『金光明最勝王経』に基づいて行われる仏教行事で、魚や鳥を野に放し、殺生を戒めると同時に善根を施します。

放生会は、宗派を超えて、寺院や神社で行われてきました。鶴岡八幡宮でも、その創設とともに行われ、一大イベントでもありました。『吾妻鏡』によりますと、当時、法会から始まり、童舞と続き、流鏑馬なども行われたそうです。御家人や武士を団結させる儀式として、鎌倉幕府にとって重要な役割を担っていました。この放生会は、現在の鶴岡八幡宮例大祭の始まりでもあります。

画像:鶴岡八幡宮
画像出所:鶴岡八幡宮 https://www.hachimangu.or.jp/


太子信仰

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実在の人物である聖徳太子を、聖人化し、仏教の枠組みで信仰される太子信仰があります。

太子ゆかりの四天王寺や、全国の太子堂で太子が信仰の対象となっています。太子は、様々な仏・菩薩と同一視されます。とくに、お釈迦様や観音菩薩が有名です。太子もお釈迦様もどちらも王子でしたので、親和性が高いです。また、太子が観音菩薩の化身であるとか、その前世であるといった信仰が生まれてきます。

興味深いことに、太子信仰は他の信仰とも結びつきます。お釈迦様との関係から、仏舎利信仰との関係ができます。また、四天王寺が天台宗に属していた時期があることから、念仏とも結びつきます。

画像:四天王寺
画像出所:四天王寺 http://www.shitennoji.or.jp/

大原三千院

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以前、来迎図の歴史で、阿弥陀仏や聖衆が坐像から立像、静的な描写から動的な描写に移行していったことをお話ししました。似たケースが、仏像でもあります。

その例が、京都大原三千院本堂の阿弥陀三尊像です。中尊の阿弥陀仏は坐像ですが、来迎印を結んでいます。一方、両脇の観音菩薩と勢至菩薩は、中腰で上半身が前屈みになっています。来迎の動的な表現がなされていることから、来迎三尊とも呼ばれています。

仏像で、動的な来迎を表現しようとするのは、興味深いですね。このような来迎三尊は、他にも例があるそうです。

画像:大原三千院
画像出所:大原三千院 http://www.sanzenin.or.jp/

鳥羽離宮

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京都の賀茂川・桂川の合流点に、白河、鳥羽上皇による浄土教建築が展開しました。これが鳥羽離宮で、院政の舞台ともなっています。残念なことに、現存しておりません。

鳥羽離宮内には、南殿を皮切りに、北殿、泉殿、東殿、田中殿などが造営され、それぞれの御所には、仏堂が建てられました。なんと豪華な離宮でしょうか。仏教的建築と住居とが調和した一大建築美が忍ばれます。

現在は、東殿にあった安楽寿院が、何度か建て替えを経て、現存しています。ここで、定朝様式の阿弥陀如来坐像を見ることができます。安楽寿院で、往時の鳥羽離宮を想像してみるのも面白いかもしれません。

画像:鳥羽離宮
画像出所:京都市 
https://www2.city.kyoto.lg.jp/somu/rekishi/fm/nenpyou/htmlsheet/toshi07.html

九体阿弥陀像

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藤原道長さんの法成寺で、九体阿弥陀像が安置されましたが、この様式が院政期にブームになります。様々な研究者からの報告を合わせると、30例ほどになります。

九という数は、九品来迎から来ているそうです。9人の阿弥陀仏とは、なんとも豪華です。

現在、阿弥陀堂と九体阿弥陀像が残っているのは、浄瑠璃寺だけです。浄瑠璃寺では、真ん中の阿弥陀像だけがひと回り大きく、来迎印を結んでいます。他の8つの像は、阿弥陀定印を結んでいます。浄瑠璃は、薬師如来の浄土ですが、極楽浄土に変わってしまっていることは、興味深いです。

画像:九体阿弥陀像(浄瑠璃寺)
画像出所:LINEトラベル https://www.travel.co.jp/guide/article/2968/

帰来迎図

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来迎図は、主に臨終者を阿弥陀と聖衆が迎えに来る様子を描いたものですが、数は少ないですが、臨終者が阿弥陀・聖衆とともに極楽浄土に向かう様子を描いた帰来迎図もあります。臨終者は、観音菩薩が持つ蓮台に座っています。平等院鳳凰堂壁画にもこのような構図が見出されますが、帰来迎図は、この構図だけが独立した絵図です。

民衆の中には、阿弥陀・聖衆が迎えに来るだけでは安心できず、極楽浄土に向かう様子も求められたのかもしれません。帰来迎図では、香雪美術館所蔵のものが、有名です。機会があれば、ご鑑賞いただければと思います。

画像:帰来迎図(香雪美術館所蔵)
画像出所:香雪美術館 https://www.kosetsu-museum.or.jp/

媽祖神

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中国沿岸部、台湾、香港で信仰を集める神様に女神、媽祖神があります。航海や漁業の神様で宋代に実在した黙娘が、遭難した父を探しに出て、神様になったとも伝えられています。船に、媽祖神を祀ることも行われました。

媽祖神信仰が盛んな地域に、普陀山・洛迦山があります。この地域と、観音菩薩の補陀落山が同一視されたのか、媽祖神と観音菩薩が習合することもあります。神仏習合は、何も日本だけではなかったのですね。

日本では、水戸藩が媽祖神に傾倒したことから、現在、茨城県に媽祖神を祀った神社が数多くあります。

画像:媽祖神
画像出所:ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AA%BD%E7%A5%96

二十五三昧会

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源信さんが中心となって始まった二十五三昧会は、以前お話ししましたように極楽浄土を目指す体育会です。

もう少し緩いサークルである勧学会を始めた慶滋保胤さんが、出家して、この二十五三昧会に参加したことも、この会の発展に貢献しています。毎月15日に念仏三昧を行うなど、活発な活動をしますが、最も結束するのは、会員の臨終時です。

まず、会員に病気の者が出れば、阿弥陀仏を安置した往生院に移されます。別の会員2名が、2日交代で、病気の会員の世話をします。一人が看病、もう一人が念仏を担当します。会員が亡くなった場合は、会員の共同墓地に入れられ、春秋に念仏会が開かれます。まさに、親子兄弟の関係です。

画像:慶滋保胤
画像出所:ウィキペディア 
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%85%B6%E6%BB%8B%E4%BF%9D%E8%83%A4

『日本霊異記』の他界

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平安時代初期に書かれた『日本霊異記』では、多くの蘇生譚があります。その多くは、様々な理由で地獄に行くのですが、再びこの世に戻り、自分のためや地獄に落ちた人のために善根を積むというものです。こうした善根によって、地獄行きが免れるという、非常に楽観的な他界観です。

閻魔大王の使者である鬼に賄いをして、地獄行きを逃れるという話もあります。さらに、この鬼は結局罰せられるのですが、『金剛般若経』を唱えて助けてくれと頼むなど、善根は鬼にも効くようです。その後、『往生要集』が出て、地獄が理論化され、『日本霊異記』のような楽観的な地獄観が薄れていきます。

画像:『日本霊異記』
画像出所:アマゾン

八幡信仰

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八幡神は、日本でも最も人気のある神様の一つで、全国に数多くの神社があります。また、歴史的には、武士の信仰が厚い神様です。

八幡神は、応神天皇の神霊とされていますが、これは奈良時代から平安時代にかけて応神天皇と習合したためであり、もともとどこから来た神様なのかわかりません。外来神という説もあります。

また、はやくから神仏習合が行われ、八幡大菩薩として信仰を集めています。戦に頼られる神様で、奈良時代の九州隼人討伐や、平安時代の北の蝦夷討伐でも八幡神のご神託を受けます。さらに、平将門さんが、新皇を名乗るようになったのも、八幡大菩薩のお告げです。興味深い神様ですね。

画像:八幡三神像
画像出所:薬師寺 https://www.yakushiji.or.jp/guide/garan_yasugaoka.html

『冥途記』

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修験者である道賢(日蔵)さんの『冥途記』は、あの世に関して興味深い情報を提供してくれます。

『冥途記』の本文は、残念ながら現存しませんが、その内容についは、『扶桑略記』に記されています。

道賢さんは、吉野金峯山で修行中にあの世に行ってしまいます。道賢さんは、蔵王菩薩に導かれて、黄金に輝く金峯山浄土に行きます。そのあと、蓮話の池や宝塔がある大威徳城で、太政威徳天に会います。この太政威徳天こそ、菅原道真さんです。道真さんは、怨霊として害を成しましたが、現在は成仏しており、現世への害は眷属が行なっていると語ります。でも、道真さんを祭る者には利益を与えると言います。

道賢さんは、その後地獄に行き、道真さん失脚に加担した地獄で苦しむ醍醐天皇に会います。最後に道賢さんは、蘇生し、名を日蔵に改めます。この道賢さんの冥途の旅は、北野天神縁起絵にも描かれていますが、内容はだいぶ変わっています。

画像:北野天満宮
画像出所:北野天満宮 https://kitanotenmangu.or.jp/

春日曼陀羅

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春日曼陀羅
前回、興福寺と春日社の神仏習合に触れましたが、どちらも藤原氏の氏寺、氏社です。

本地垂迹で、春日社の大宮四神は、不空羂索観音、薬師如来、地蔵菩薩、十一面観音、若宮は、文殊菩薩を本地仏とされています。こうした本地垂迹思想が、垂迹美術に発展していきます。その一つが、春日曼陀羅です。春日曼陀羅には、本地仏曼陀羅、宮曼陀羅、鹿曼陀羅等、さまざまなバージョンがあります。

その中の一つ、社寺曼陀羅では、春日社と興福寺を上下に組み合わせて、上部に本地仏を持つ5神を描いています。まさに、神様の世界と仏様の世界が一体となっています。

画像:春日社寺曼陀羅
画像出所:文化遺産オンライン https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/182175/1

神仏習合と僧兵

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平安時代、比叡山延暦寺や奈良の興福寺など有力な寺院は、非常時に鎧をつけ戦う僧兵を擁するようになります。宗教と軍事力の両面から、朝廷に影響力を行使するまでに至ります。そのため、自分たちの要求を通すため、都に大挙して来ることがあります。すでに神仏習合が進んでいるため、延暦寺は日吉神、興福寺は春日神を捧持しました。仏様だけでなく、神様の威光を使うことによって、武士に対抗します。

ちなみに、源平合戦のときに、延暦寺は平氏、興福寺は源氏につきます。そのため、興福寺は平氏に焼き討ちに合いますが、鎌倉幕府によって再興されます。

画像:興福寺
画像出所:興福寺 https://www.kohfukuji.com/construction/c01/

怨霊信仰

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平安時代以降、浄土思想が貴族だけではなく、一般の人々にも広まった背景に、民間の怨霊信仰があります。当時、人々は疫病や凶作に苦しめられていました。こうした災害への方策として、さまざまな儀式が行われましたが、中には、邪教として政府から排除されるものもありました。

疫病については、政府の対策として疫神を祀ることが行われましたが、これが民間に普及します。そして、民間で、不慮の死を遂げた人物とこの疫神とを結びつけ、怨霊を祭ることが行われるようになります。民間レベルで、さまざまな御霊会が行われ、政府がそれを認めるということが繰り返されます。こうした怨霊信仰が、後の民間への浄土思想の普及に貢献します。

画像:清涼殿落雷事件
画像出所:ウィキペディア 
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E6%B6%BC%E6%AE%BF%E8%90%BD%E9%9B%B7%E4%BA%8B%E4%BB%B6

北野天神縁起絵

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鎌倉時代に作成された北野天神縁起絵は、六道絵としても有名です。この縁起絵巻は、8巻(+下絵1巻)からなり、北野天満宮に秘蔵されています。

前半の6巻は、菅原道真さんの生涯についてですが、後半の2巻が、平安中期の修験者、日蔵さんの六道めぐりです。日蔵さんが、死後、大威徳天宮で道真さんに会った後、六道をめぐります。六道の様子が詳細に描かれていますが、『往生要集』の影響よりは、もう少し古い密教的な表現になっています。

そういえば、日蔵さんは、真言宗の僧でもありますので、この六道めぐりには、ぴったりの主人公です。

画像:日蔵上人
画像出所:千寿の楽しい歴史 https://kusennjyu.exblog.jp/23466451/

悔過行事

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奈良時代、自己の罪を仏前で懺悔するという悔過行事が行われていました。キリスト教の懺悔にも似ていますが、懺悔の目的が現世利益なのが、大きく異なります。

天武天皇のご病気治癒で行われたのが、最初だといわれています。礼拝されるのは、薬師如来、観音菩薩、阿弥陀仏などです。とくに五穀豊穣を祈願された、吉祥天が普及しました。

こうした悔過行事は、これまで神祇が担っていた呪術的な儀礼が仏教に置き換わった形です。そのため、阿弥陀悔過も、極楽浄土往生を目的としたものではなく、現世利益が中心であったと思われます。

画像:吉祥天
画像出所:ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E7%A5%A5%E5%A4%A9

『般舟三昧教』

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浄土三部経より以前に、阿弥陀仏や極楽浄土について述べられたお経に『般舟三昧教』があります。

後漢から隋の時代に中国で翻訳されたお経で、仏を観想することによって、見仏を目指すことが中心で、浄土への往生が目的ではありません。そして、現世での利益が説かれています。阿弥陀仏も特別ではなく、多くの仏の中のひとりです。

ただ、天台宗の修行に取り入れられ、その後の日本の浄土思想へとつながっていきます。そのため、法然さんをはじめ、さまざまな浄土思想関係者に引用されるのに至ります。極楽浄土を説いたお経は、以外に多いです。

画像:『般舟三昧教』
画像出所:アマゾン

宇治の橋姫

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宇治の橋姫の話は、『平家物語』の異本に記載されています。『平家物語』ではないので、ご注意を。

内容は以下の通りです。男女の関係で嫉妬に狂った橋姫は、貴船大明神に自らが鬼になることを願います。7日間祈った結果、大明神は同情し、姿を変えて宇治川に21日間つかることを告げます(7日間の祈りは、丑の刻参りと同じですね)。橋姫は、鉄輪を頭につけ、その3本の脚に松明を燃やして、川に浸ります(丑の刻参りの3本のろうそくに近いです)。その姿を見た人は、橋姫の恐ろしい形相に恐怖して、死んでしまいます(丑の刻参りは、見られると効力を無くしてしまうのとは、対照的です)。その結果、生きたまま鬼となります。鬼となった橋姫は、次々と復讐します。

以前、妖怪ハンターとして、源頼光と頼光四天王を紹介しました。その四天王の筆頭、渡辺綱が、一条戻橋において、名刀髭切で鬼の腕を斬りますが、この鬼こそ橋姫という説があります。この腕は、安倍晴明に封印されます。

画像:宇治の橋姫
画像出所:ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%8B%E5%A7%AB

丑の刻参りと貴船神社

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最近テレビ等で見なくなりましたが、以前は呪いと言えば、丑の刻参りが有名でした。丑の刻(午前1時から3時)、神社の御神木に、呪う相手の藁人形を五寸釘で打ち込むというものです。頭に3本のろうそくをつけた様子は、強烈です。これを7日間行えば、相手を呪い殺すことができます。ただし、他人に見られると呪いは失われてしまいます。

この丑の刻参りと関係が深いのが、貴船神社です。貴船神社には、丑の刻にお参りすると願いがかなうという伝承がありますので、これが呪詛と結びついたと言われています。それと、貴船神社と関係が深い、宇治の橋姫の伝承も丑の刻参りのモデルとなっています。次回は、この宇治の橋姫についてお話しします。

画像:貴船神社
画像出所:貴船神社 http://kifunejinja.jp/

人喰い地蔵

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京都聖護院にある積善院凖提堂に、人喰い地蔵と呼ばれるお地蔵さんが安置されています。なんとも怖い名前ですね。

以前からここにあったのではなく、野ざらしになっていた(現在の京大病院のあたりらしい)のを、このお寺に安置されることになりました。元々は、崇徳院の霊を慰めるために造られたお地蔵さんです。ご存知のように、崇徳院は保元の乱で敗れ、讃岐に流された上皇です。怨霊となって、京都をたたりましたので、三大怨霊の一人と言われることもあります(あと二人は、菅原道真と平将門)。

この崇徳院の霊を鎮めるため、白峯神宮などいくつかの神社等がありますが、このお地蔵さんもその一つです。崇徳院地蔵と呼ばれていました。この「すとくいん」が、いつのまにか訛って、「ひとくい」に変わってしまったそうです。怨霊のイメージがあったのかもしれませんが、お地蔵さんには失礼な話です。

画像:人喰い地蔵
画像出所:日本伝承大鑑 https://japanmystery.com/z_miyako/rakutou/hitokui.html

天台本覚思想の相即論

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天台本覚思想の特徴として、相即論があります。対立する二つの概念を、同じ(即)であると結びます。例えば、煩悩即菩提、娑婆即浄土などです。

元々人は悟っているという、迷いと悟りを同一視していますので、すべてが一体視されます。どこか、弁証法にも似ているかもしれませんし、対立する二つを単にイコールで結ぶだけでなく止揚の意味もあるかもしれません。

悟り等に対立するものは、できるだけマイナスの概念が選ばれます。そのマイナスのものに、真理を見ようとします。これは、インド密教の最終段階で、不浄なものに悟りを見ようとしたことにも似ているような気がします。人類の思想のクセなのか、様々な思想に、類似性があるように思います。

画像:ヘーゲル
画像出所:ウィキペディア 
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%AB