来迎図と山岳信仰

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来迎図と山岳信仰の関係については、様々な研究がなされています。とくに、山越阿弥陀図については、その関係が指摘されています。

ただ、最も両者の関係を表しているのは、阿弥陀来迎図ではなく、弥勒来迎図です。平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて成立したとされる『覚禅抄』に、定源という仏師が南都から写した弥勒来迎図が載せられています。この来迎図には、不動明王と滝が描かれています。まさに山岳信仰の影響が見られます。

聖地とされた金峯山で修行する修験者の間で、金峯山を弥勒浄土とみなす信仰が発生します。この来迎図は、こうした信仰が影響したと考えられます。

画像:覚禅抄
画像出所:文化遺産オンライン https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/172111