泥棒坊主

伴大納言絵巻朱雀門内の群衆.jpg

前回に続き、『伴大納言絵巻』です。

朱雀門附近で、火事を見る群衆が描かれています。その中に怪しげな僧がいます。上着の中に荷物を入れ、それを背負って大きな歩幅で走っています。火事見物に来た人々とは違って、腰を低く曲げ、顔を見られないように、逃げて行きます。まさに火事場泥棒です。一方、こうした火事場泥棒を取り締まらなければならない検非違使は、火事見物をしています。泥棒をする僧と火事見物をする警察、煩悩の大きさを感じさせます。

前回の夜這い坊主、今回の泥棒と、当時の破戒僧の実態が知れて興味深いです。

参考文献
中村興二(2017)『絵解きの愉しみ:説話画を読む』平凡社

画像:伴大納言絵巻 朱雀門内の群衆
画像出所:ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%B4%E5%A4%A7%E7%B4%8D%E8%A8%80%E7%B5%B5%E8%A9%9E