熊谷直実と上品上生

熊谷直実.jpg

平安末期から鎌倉時代にかけて活躍した、熊谷直実さんという武士がいました。

直実さんは、『平家物語』や『吾妻鏡』によく取り上げられる逸話の多い人です。晩年、所領の争いで負け、怒って出家します。そして、法然さんの門下に入ります。

この直実さんは、なんと上品上生でない限り往生しないと宣言します。ご存じのように往生には9つのランクがあり、上品上生は最高ランクです。あの源信さんですら下品上生(第7ランク)を目指されたと言われているのに、これまで人を殺めてきた直実さんが、上品上生を目指すとは、とんでもない思い上がりとも考えられます。ただ、直実さんは、経典では人を救えるのは上品上生だけなので、人を救うために上品上生を目指すと主張します。この理由をどのようにとるかは、人によって意見は分かれることでしょうが、法然さんが困ってしまったことは想像できます。

画像:熊谷直実
画像出所:熊谷商工会議所 
https://www.kumagayacci.or.jp/events_information/kumagai_jjiro/