寺社の縁起

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寺社の縁起がどのように変遷していくかについて、考えてみたいと思います。

一つの例として、以前ご紹介した吉田寺を挙げます。吉田寺は、江戸時代に廃寺になって現在は存在しません。笹川尚紀氏によれば、13世紀後期、吉田寺は、吉備真備さんによって建立されたと伝わっていました。吉備真備さんは、右大臣にまでなられた方ですので、寺の格としては十分です。

それが、時代が下りますと、聖武天皇の詔命によって建立されたということが加わります。さらに、本像の千手観音像は、行基さんによって造られたという話が出てきます。どんどん、バージョンアップされていきますね。もちろん、適当にバージョンアップされていったのではなく、吉田寺と吉備真備さん、聖武天皇、行基さんが結び付けられる背景には、何らかの関係があると考えられます。

参考文献:笹川尚紀(2017)「中山吉田寺にかんする初歩的考察」京都大学構内遺跡調査研究年報pp.145-168.

画像:吉備真備
画像出所:倉敷観光WEB https://www.kurashiki-tabi.jp/blog/13015/