法華経と仙人

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『発心集』第3・12話に、「松室の童子、成仏の事」というお話があります。これは、日本人の宗教の受容におもしろい示唆を与えてくれます。

このお話では、ある僧の稚児が、法華経ばかり読んでいます。その子が14-15歳になったときに疾走します。師僧は、山にその子を探し行きますと、なんと仙人になっていました。法華経の功徳が、仙人になることとは不思議ですが、さらに作者鴨長明は、タイトルにありますように、「成仏」と呼んでいます。仏教と道教が入り混じっています。

また、仙人になった子供は、下界は汚くて行くことができないと言います。山に仙人の理想郷を想定していますので、山岳信仰とも関係がありそうです。さらに、師僧は、仙人になった子に、琵琶を貸します。その後、その琵琶を返してもらった後、神様に奉納します。ここで、神道も混ざってきます。

画像:仙人
画像出所:文化遺産オンライン https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/82306