インド密教の瞑想法

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今回は、森雅秀氏の本から、インド密教の瞑想法についてお話します。

瞑想の基本は、仏を観想する観仏です。これは、阿弥陀仏や極楽浄土を観想する、浄土教と似ています。ただ、インド密教は、単に仏を観想するだけではありません。三昧耶薩埵(さんまやさった)と智薩埵(ちさった)と呼ばれる二つのイメージを創出し、一体化させます。まず、行者は、自分の胸に月輪を思い浮かべ、そこに尊格固有の文字を置きます。そして、その文字から尊格のシンボル、そして尊格自体のイメージに至ります。この瞑想された尊格が、三昧耶薩埵と言われるものですが、仮の姿で、実在しません。

この三昧耶薩埵をのせた月輪が光を放ち、智薩埵を招きます。この智薩埵は、三昧耶薩埵と同じイメージですが、尊格自らが真の姿をとったものです。この智薩埵を三昧耶薩埵に挿入して、両者を一体にします。なんと、行者は、その結果、その尊格と一体であるという認識を持つとともに、その尊格を自由にあやつれるようになります。相当難易度の高い瞑想ですね。

参考文献
森雅秀(1997)『マンダラの密教儀礼』春秋社

画像:インド密教
画像出所:北日本新聞 https://webun.jp/item/7558792