『日本霊異記』の他界

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平安時代初期に書かれた『日本霊異記』では、多くの蘇生譚があります。その多くは、様々な理由で地獄に行くのですが、再びこの世に戻り、自分のためや地獄に落ちた人のために善根を積むというものです。こうした善根によって、地獄行きが免れるという、非常に楽観的な他界観です。

閻魔大王の使者である鬼に賄いをして、地獄行きを逃れるという話もあります。さらに、この鬼は結局罰せられるのですが、『金剛般若経』を唱えて助けてくれと頼むなど、善根は鬼にも効くようです。その後、『往生要集』が出て、地獄が理論化され、『日本霊異記』のような楽観的な地獄観が薄れていきます。

画像:『日本霊異記』
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